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  • 2015.02.02

マッスル坂井の「ザッツ・リビング・レジェンド」 #30

マッスル坂井の「ザッツ・リビング・レジェンド」第30回  『劇場版プロレスキャノンボール2014』公開直前スペシャル(前編)

 プロレス業界随一の分析力とプレゼン能力を持つマッスル坂井が、業界のリビング・レジェンドの凄さを、独自の視点で『ビッグファイト』読者に紹介! ……というコーナーですが、最近は雑談メインになりつつあります。
 今回は劇場版プロレスキャノンボール2014公開直前スペシャルとして、マッスル坂井だけではなく、助監督の今成夢人も加えた特別バージョンをお届け!

収録日:2015年1月22日 聞き手:松本真一
 
――今日は今成(夢人)さんが、『プロレスキャノンボール』編集のために新潟に泊まってるみたいで。

坂井 いま寝てるんだか起きてるんだかって感じです。2日前、火曜日に東京から来て、坂井精機の応接室を今成さんが占領して、パソコンを持ち込んで、ずっと編集してるんですよ。

――会社の人にはどういう説明してるんですか?

坂井 「坂井専務のプロレス団体の後輩がやってきて、一緒に映画の編集してる」っていう噂が立ってます。

――噂というか、そのとおりですよね。

坂井 私も水曜あたりから付きっきりで編集してるんですけど。

――今成さんは会社に泊まってるんですか?

坂井 一応規則正しい生活を心がけてるんで、夜は遅くとも2時ぐらいには就寝しまして。いま、ウチは部屋数があるので、今成はそこに。

――新居に泊まってるわけですね。

坂井 それから7時には起床してもらいまして、7時40分には出て、8時から朝礼があるんで、それは一応出まして、そのあとは応接にこもってですね……あ、今成が起きてきました。

今成 ……コーヒー貰っていいですか?

坂井 いいですよ。いま『THE BIG FIGHT』というサイトで電話取材してます。

――じゃあ坂井さん側の電話をスピーカーに切り替えて3人で話せる形にしましょう。

今成 『THE BIG FIGHT』、いまクレジットカード止められて見れないんですよ。

坂井 だそうです(笑)。

今成 少し前に、坂井さんに言われた店で靴買ったら、ボクの財政が破産して……。

坂井 えーっ?

今成 それで追いつかなくなって……。

――坂井さんが無理しておしゃれさせたせいじゃないですか(笑)。

坂井 じゃあ、いま『新日本プロレスワールド』観れないの?

今成 いや、あっちは携帯代に加算される形なんで。

坂井 ああ、はいはいはい。この話、つらいからやめましょうか。

――やめましょう(笑)。

坂井 今成さん、こっち来て取材に加わってくださいよ。今成さんはビッグファイトの有料会員だし、ふだん『KAMINOGE』も読んでるんですけど、今成さんからしたら松本さんはホントにキレッキレに見えてるらしくて。

今成 敏腕編集者ですよ。

――いやいやいや!(笑)。

坂井 松本さんって元DDTテックだったじゃないですか?

――わからない方に説明しますと、マッスル坂井さんが社長をやっていた、DDTの映像編集などをしていた会社でボクが働いてた、ということです。いまは今成さんがいる「TEC」が業務を引き継いでる感じで。

今成 藤岡(典一)さんが呉服屋の社長になり、坂井さんが坂井精機の専務になり、松本さんが『BIG FIGHT』編集長になったっていう、「元DDTテックは出世する説」っていうのが、自分のモチベーションになってますよ。

坂井 尾崎孔一さんも年末にDDTテックを辞めて独立されましたしね。

――肩書きだけ聞くと藤岡さんが一番凄いですよ。

坂井 藤岡は、本業は別にあるんですけどね。

――どっかのNPO法人で働いてるんでしたっけ。

坂井 そうそう。ニュー・プロレス・オーダー(笑)。

――「nPo」(笑)。

坂井 で、なんで今成さんが来てるかというと、28日の15時に『プロレスキャノンボール』の納品をしないといけないんですよ。

――29日に関係者試写会だと聞いております。

坂井 そう、だから28日に映倫に納品しないといけないんですって。

今成 そうすると1日で審査結果来て、タイトルのところに映倫マークをつけれるんですよ。

坂井 28日ってことはあと1週間もない。それに24、25の土日で、「MA」って言って最終的な音の調整とかナレーション録りをしないといけないんですよ。それまでに映像を全部繋げないといけないんです。

――24日ってもうすぐじゃないですか。

坂井 半分は構成ができてて、もう半分も7割方構成ができてて、いまは最終的な仕上げの段階ですね。

今成 「何を際だたせるか」とかの調整です。

坂井 どこにテロップ入れたり音楽入れたりっていう仕様書を私が書いて、それを今成さんが編集していくと。そういう細かいテロップ入れるのって、膨大な量があるんで、本来ならDDT映像班の面々と手分けしたいところなんですけど、25日にはDDTの後楽園大会を控えてるので、皆さんそちらで手一杯だと。だから『キャノンボール』は私と今成の2名で、かなりシリアスにやっている状態です。

――こんな取材してる場合じゃないですね。

坂井 いやいや、これだって仕事ですから。告知にもなってますし。せっかく今成さんが来てるんで、今成さんにいろいろ聞いてくださいよ。私は自分のことについて喋るのも上手じゃないから。

今成 あのですね、まず……。

坂井 (遮って)質問されてから喋ってもらっていい? 松本さんは、聞かれてない質問に対して喋ったことを原稿にしてくれたことは一度もないんで。

今成 わかりました(笑)。

――やりづらい!(笑)。えー、今成さんは、今回の映画で「助監督」ということになってますけど、具体的にどういう仕事をされたんでしょうか。

今成 坂井さんの本拠地が新潟にあるんで……。

坂井 もっと大きい声で!

今成 東京にいないと手配できないものを用意したり、映像の下ごしらえだったり……。

坂井 普通の人は「下ごしらえ」ってのがわかんないって!

今成 編集の、ある程度流れに沿ったものをお渡しして、坂井さんに「あとは構成よろしくお願いします」って状態を作ったりとかってことですね。

――2人の関係がよく出たインタビューになりそうですね。

坂井 まあ今成さんは撮影うまいですから、本来なら一歩引いた立場で、自分とかと一緒に全体に起こったことを撮影することに集中したほうがいいんですけどね。撮影する立場に集中してもらって、今成が全体を見てれば、凄くいい構成ができるなって。DDTでは映像班として活躍してるわけじゃないですか。松本くんが大好きな『さいたまースラム!』もほぼひとりで作ってるわけですから。でも、高木(三四郎)さんとか、鶴見亜門とか、男色ディーノとか今成とかで、「『プロレスキャノンボール』はどんなのにしようか、いつやろうか、どういう人を出そうか」って会議が9月ぐらいにあって、自分がなんとなく「こういうメンバーでこういうのを撮りたい」ってバーっと喋ったんですよ。「撮影中もツイッターで全部実況しながらやりたい」とか「劇場版とは言いつつも、劇場型の作品を作りたい」って、みんなのテンションを上げるような話をしたんです。そしたらそこで今成のテンションが上がっちゃって。「やっぱり自分とガンプロチームを出させてくれませんか」って言い出したんですよね。

――ああ、いいじゃないですか。

坂井 いやいや、今成は出なくても、DDTだけでもおいしいキャストがいっぱいいるわけじゃないですか。DDTで数チーム、プラスそこにゲストが出演するぐらいに考えてたのに1チーム多くなる。今成はDDTのメンバーを撮ることに関しては優秀なわけですよ。だけどガンプロチームだと自分も演者になってしまう。それだとプロレスラー・今成夢人が出てきちゃうんですよね。そこがちょっと、全体で考えたらマイナスだと。高木さんとかDDTの人は、俺以上にそれをわかってるわけですよ。だからみんな「いやー、それはちょっと……」って言ってたんです。「DDTが、映画を通して広く世間にプロレスをアピールするチャンスだから、まずはDDTのメンバーを中心に考えたい。ここはちょっとこらえて裏方に徹してくれないか」「一旦イメージ通りのものが作れて、『プロレスキャノンボール』を成功させれば、絶対に次はあるよ」って話をしたら「そうっスね」って一度はなってたんです。

――今成さんは一歩引いてくれたと。

坂井 だけど、ガンプロの興行で、「ガンプロ劇場」と言われる試合後の集会があるじゃないですか。

――大仁田劇場みたいなやつですよね。

坂井 そう、今成と大家がお客さんの前で激論をかわすんですよね。そこで今成が涙ながらに「今月『プロレスキャノンボール』の撮影が始まるんですよ。自分は撮影と編集をやれと言われている。でも大家さん、俺はガンプロチームで出たいんですよ!」って言ってしまってですね。

――勝手に(笑)。

坂井 半ば既成事実化のように、あたかも決定事項をさかのぼって話すかのように言っちゃったんですよね。客も「うおー!」ってなっちゃって。そのあとDDTの事務所でも、同じテンションで、「出たいんです!」みたいな。しかも「坂井さん的にもOKなんで、OK取ってるんで」みたいな感じで言ったらしいんですよ。自分としてはけっこうびっくりしたんですけど。

――寝耳に水で(笑)。

坂井 その時点で、今成さんはちょっと物事を客観視できてない部分があるのではないかと不安になったんですけど。ディレクターとしては優秀なんですけど、プロレスラー・今成夢人になっちゃうと、ちょっと……。

――それで「ガンプロチームも出たい」って言われたときに、DDTとしての反応はどうだったんですか?
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