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  • 2017.03.26

GK金沢克彦コラム #138

GK金沢コラム連載第138回!! 「WBCロス」

ありがとう侍JAPAN!
GK金沢が考えた2020年東京五輪金メダル獲得の秘策とは!?
 
 巷では「WBCロス」なるフレーズが秘かに出まわっているらしい。残念ながらNJC(ニュー・ジャパン・カップ)ではなくWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のほうである。かく言う私も明らかにWBCロスに陥っている。森友学園問題よりも稀勢の里よりも春の選抜甲子園大会よりもサッカーW杯最終予選(日本vsUAE)よりも、WBCがすべてなのである。

 野球好きサラリーマンのなかには、侍JAPANの準決勝勝利&決勝進出を信じて、22日・23日と2日間の有給休暇をとった人も数多くいるという。準決勝&決勝は米国ロスのドジャースタジアムで開催されたから日本時間でいくと、試合開始は午前10時前後となった。その気持ち、よくわかるなあ。
 私のように、午前中にはめったに仕事がない夜型人間からすると、なんか申し訳ない気もしてくる。結局、22日(日本時間)の準決勝で日本チームがUSA(つまり米国チーム)に敗れたため、23日に休暇をとってしまった人たちは、「まあ、しょうがねえ!」とばかりに米国vsプエルトリコの決勝をさして思い入れを持つこともなくテレビ観戦したり、ファイナルで貧乏くじを引いた感もあるテレ朝以外がこぞって放送していたK氏による国会の証人喚問を観ていたらしい。

 そのとき私は、すでにロスがはじまっていたから(※ロスの試合に敗れロスに陥るとは、コレ如何に!?)、午前11時ころにボーッと起きて、ストローマン(米国の先発投手)の快投ぶりを眺め「やっぱりボールがよく動くなあ」と呟いていた。テレビ観戦していると、スロー再生もあるからよくわかる。ひと昔前、大晦日の大一番で試合開始早々に桜庭和志が「スッゴイ、滑る!」という言葉を連呼したことを思いだすほど、「スッゴイ、動く!」のだ。しかも、ストローマンはコントロールがよくてスピードもある。こんなの打てるわけないっしょ!

 おそらく準決勝で、次から次へとメジャーリーグ各球団を代表するクローザーやセットアッパーを投入された侍JAPANの打者たちも心のなかで、「スッゴイ、動く!」と驚嘆していたに違いない。

 その動くついでに言いたいことなのだが、バリバリの一流メジャーリーガー28選手を擁してきた米国チームは絶対に日本を舐めていたと思う。おそらく、日本選手の顔も名前も知らなかったろうし、小久保監督の名前さえ知らなかったろう。せいぜい知識として、「日本の先発ピッチャーは東京ジャイアンツのスガノ(菅野)っていうやつみたいだぜ」くらいの知識だったのではないか? それを思うと、1vs2のロースコアの接戦で負けたのが悔しいと同時に、「日本のエース・ピッチャーの底力を思い知ったか! 事実上、キミたちは菅野と千賀をまったく打てなかったんだよ」とすこし高飛車に胸を張りたくもなる。

 それに、世界一のセカンド(※原辰徳さんいわく)である名手・菊池のエラーと、サード松田のエラーだって、ずうっと降っていた雨と濡れた天然芝のせいだろ? エラーで取った2点じゃないか! そういう強がりというか負け惜しみも言ってみたくなる。

 その一方で、菅野と千賀の快投の要因には湿度の高さが味方してくれたこともわかっている。まあ、つまるところは菊池の意地のホームラン以外、日本チームの打撃陣がまったく振るわなかったのが敗因。そう結論づけるしかないのだ。

 かと言って、各評論家の方々が日本の敗因に関して、「打者が直前で動くボールに対処できなかったから」とお決まりのように分析するのも、如何なものか?と思うのだ。そのうえ、いま現在のままならWBCでの優勝、王座奪還は遠い道のりだとおっしゃる。

 そんなことわかっているし、わかっているけど無理なことだってあるだろう。今回が4度目の開催となるWBCであるが、そこで使用されるボールはWBC統一球という名のメジャーリーグ仕様のボールである。日本のプロ野球で使用されている公式球より大きめで縫い目も荒く反発係数がバラバラであったり、なにより日本のボールより滑るというのだ。「スッゴイ、滑る!」がここでも出てくるのだ。細かく言うと、日本の公式球はミズノ製で統一されていて、MLB(メジャーリーグ)の公式ボールはローリング製。

 ほかに、キューバや韓国や台湾などで、どんなボールが使われているのかはすまんけど、知らない。でも、よくよく考えてみてほしい。こういった球技において、世界で統一された認定球が使われていないことじたいが問題なのでないか? だって、サッカー、バレーボール、バスケットボール、テニス、卓球とか、みんな統一された国際球があるわけでしょう? よく知らないけど、ハンドボールだって、水球だってあるわけでしょ?

 では、なぜこうなったかと勝手に解釈すると、MLBの影響を受けて日本プロ野球がスタートした時点からの問題というか、そこまで歴史をさかのぼったテーマなのだと思う。いまでこそ、日本人のプロ野球選手はでかくなった。大谷翔平なんて、間近で見ると本当に大きい。オカダ・カズチカよりも背丈がありそうなんだから。ダルビッシュ有にいたっては、坂口征二さんぐらいデカイ。松井秀喜だって我らが永田さんより大きかったし、清原和博が武藤敬司くらいのサイズ。それに昔、野茂英雄がドジャースに在籍していたころ、『週刊ゴング』の表紙企画として、たまたまロス遠征に来ていた蝶野正洋とのツーショット写真を撮らせてもらったのだが、身体の厚みはともかく身長は野茂さんのほうが大きかった。
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