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  • 2017.04.08

GK金沢克彦コラム #140

GK金沢コラム連載第140回!! 「世界のNAKAMURA」

中邑真輔がついにWWEメインロースターに昇格!
その影響が古巣・新日本にも……!
 昨年4月1日、米国ダラスでNXTデビュー戦(サミ・ゼインに勝利)を果たしてからちょうど1年、ついに中邑真輔(シンスケ・ナカムラ)がWWEのメインロースターに昇格。先ごろ開催されたWWEのスマックダウンLIVEにバイオリンの演奏から始まる『ザ・ライジング・サン』のテーマ曲に乗って突然登場し、WWEユニバースの大喝采を浴びた。

 そのときは、マイクパフォーマンスもないし、入場とエビぞリポーズ&決めの「イャオ!」のみ。それでも、あれだけの歓迎を受け、観客の視線をクギ付けにしてしまうところが中邑の超一流パフォーマーたる証拠。また、客席には「NAKAMURA」と描かれたボードを掲げているファンもいたのだから、どれだけ中邑が米国ファンの間でスター扱いされているのか、それもよくわかった。

 さらに驚いたのは、時間差で伝わってきたニュースを知ったとき。スマックダウンLIVE、WWEネットワーク向けの205LIVE終了後に、会場の観客向けにボーナストラックとしてダークメインイベントが行なわれ、そこに中邑が出場したというのだ。対戦相手は元WWE世界王者のドルフ・ジグラー。じつは、中邑のリング登場後のCM中にジグラーが現れ、「オマエのことなんかだれも知らない! オレが試合してやろうか?」などと毒づいたという。しゃべりの上手いジグラーはいまヒールだから、その挑発はそうとうに憎々しいものだったことだろう。

 そんな伏線もあってのダークメイン。YouTube等の動画でもしっかり配信されているので観戦してみた。試合時間は10分ほどで、中邑はリバースパワースラムから正調キンシャサ(二ーストライク)で完勝している。それにしても驚きは、もう入場時からアリーナが一体となって「ウォー、オー、オーオーオー♪」の大合唱で中邑を迎え入れたこと。さらに、「ナ〜カム〜ラ」の大チャント。ゴングが鳴って、両者はなかなか組み合わない。ここらへんは、明らかにジグラーの意識的な動き。すると、ふたたび客席から「ウォー、オー、オーオーオー♪」とザ・ライジング・サンの大合唱が自然発生。ちなみに、その映像を2階席から撮影したと思われる観客本人か、あるいは周辺のファンも声高に合唱しているのだが、これがかなり音痴なのが笑えたりする(笑)。

 まあ、ダークメインとはいえ中邑が、いやシンスケ・ナカムラというレスラーがメインロースターに相応しいということ。そしてWWEユニバースたちが、どれほど中邑の1軍昇格を待ちわびていたかが窺えるデビュー戦だった。

 この模様を会場で生観戦していたのが、またもひとり旅で『レッスルマニア』観戦のため現地に趣き珍道中を繰り広げていたであろうモッキーこと元井美貴さん。モッキーのことだから、詳しく聞かなくても珍道中であったことは想像にかたくない(笑)。最近、お天気お姉さんのイメージがすっかり薄れて、プロレスお姉さんかルチャお姉さんにしか見えないモッキーだが、中邑とは青山学院大学の同期生。まあ、大して関係ない話となるが、私も青学卒なのだが、彼(彼女)らより18期も先輩にあたる。つまり中邑が生まれた年に、私は青学に入学したことになるのだ。

 だから昔、ときどき中邑と母校の話題で盛り上がったりもしたのだが、イマイチその場所であるとか(※おもにテニス部の女子学生がテニスをしていた場所)、学食の様子であるとか、たまに互いの記憶と事実関係にズレが生じていて、「エッ?」となったのは致しかたない部分でもあった。

 それはともかく、中邑の事実上のスマックダウンデビュー戦を見とどけたモッキーはそうとうに感銘を受けたようだった。


「スゴイ人気に熱狂ぶり。世界のNAKAMURAでした!」

 彼女は興奮の模様をそう伝えてくれた。ここ最近、ボビー・ルードにNXT王座を奪われて以来、若干停滞気味に見えた中邑の状況であったが、じつはこの日を迎えるための“溜め”となったのだ。正直、ルードあたりは中邑の敵ではないというか、格が違うというか、レスラーとしての厚みに雲泥の差があるから、ちょっと私はモヤモヤしていた。本来なら、KENTA(ヒデオ・イタミ)が中邑のライバルとしてNXT最後の抗争を展開する相手であってほしかったのだが、二度の大怪我を負ったKENTAはそこに間に合わなかった。

 まあ、いいだろう。これから中邑絡みのカードはさらに白熱し、見逃せなくなってくるのだ。この1年、まるでNXTの所属選手たちに、「プロレスとはなにか?」、「プロとはどうあるべきか?」を教え込むような試合をする機会の多かった中邑(※無論、サミ・ゼイン、フィン・べイラー、サモア・ジョー、ケビン・オーエンズなどは別格として)。これからは、同列で競い合う力量をもつ選手たちと渡り合うことができるのだ。
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